白黒機体のつくりかた
こんにちは。
今シーズン末に使って、かなりいい成績を残したデッキである、白黒機体を紹介します。
通算の星取りは32-4勝率88%ほどの、環境のメタに強烈に適合していたデッキです。先日行われたPPTQでも無敗のまま決勝トスできました。

【デッキリスト】
メインボード 60枚
4:《乱脈な気孔/Shambling Vent》
4:《秘密の中庭/Concealed Courtyard》
9:《平地/Plains》
8:《沼/Swamp》

4:《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
4:《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar》
4:《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》
4:《無私の霊魂/Selfless Spirit》
4:《密輸人の回転翼機/Smuggler’s Copter》
3:《闇の掌握/Grasp of Darkness》
2:《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》
1:《苦渋の破棄/Anguished Unmaking》
4:《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
3:《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn》
2:《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship》

サイドボード 15枚
2:《街の鍵/Key to the City》
2:《永代巡礼者、アイリ/Ayli, Eternal Pilgrim》
1:《苦渋の破棄/Anguished Unmaking》
1:《断片化/Fragmentize》
2:《石の宣告/Declaration in Stone》
1:《闇の掌握/Grasp of Darkness》
2:《精神背信/Transgress the Mind》
2:《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》
2:《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet》

【コンセプト】
現代のアブザンアグロでありたい。

デッキリストを見て分かるように、低マナ域はマルドゥ機体のそれ、高マナ域は青白フラッシュのそれで、いいとこどりをしているデッキです。

このデッキで特徴的を挙げるならば、メインに2枚採用されているスカイソブリンでしょうか。CIPの3点火力もアヴァシンを越える6/5飛行というサイズも、霊気池を除く環境全てのデッキに刺さる素晴らしいカードですが、一方でその搭乗コストの高さから敬遠されることも少なくありません。
今回の白黒機体では低マナ域にパワー3の生物を多くとれるため搭乗コストは問題になりません。序盤こそ強いが終盤腐りやすい模範的な作り手ですらスカイソブリンの乗り手としての役割が与えられているため、特に消耗戦のあとのトップ勝負が苦にならなくなるのです。

先ほどちらっと紹介した模範的な造り手は、このデッキを象徴するパワーカードの一つです。たかり屋やコプターとあわせて引いたときの序盤の強さ、たとえ終盤に引いても一人でスカイソブリンに乗れるという強さ、腐らなさは、アブザンアグロの栄華繁栄を支えた、あの始まりの木の管理人を思い出させる強力な1マナ域です。

1マナ域から5マナ域まで満遍なく強いカードが詰まっており、安定した動きが約束されているのもさながらアブザンアグロですね。

【もう少し詳しく】
・土地25
・2色
の機体デッキはほかになく、これこそが白黒機体を白黒機体たらしめています。

土地を増やすメリットは、安定した高マナ域の運用が可能になるということです。
ギデオンやスカイソブリンといったカードは環境の全てのデッキに有効なカードでありますが、その重さを理由に採用枚数が抑えられています。1マナ域を8枚採用していようが、高マナ域のカードを使うのならば土地を伸ばせるように多めに土地をデッキに入れるべきです。

また土地を切り詰めたデッキはサイドボード後から速度を変えることが困難だったり、そもそもサイドボードに重いカードを採用できない等の制約があったりします。このデッキは自分より早い相手にはコントロールとしてふるまうため、その際に土地が伸ばせるようにするべきなのです。

2色にまとめるメリットはタップインせずに安定して4マナ以上を出せるところです。マルドゥ機体の場合、ファストランドが多すぎるため、中盤以降のタップインが多くなり肝心な場面で2アクションが取れなくなることがあります。
また対抗2色にすることでミシュラランドが使えるようになるというメリットは大きいですね。機体やギデオンと相性が良いですし、特に対アグロにおいて乱脈な気孔の2/3ライフリンクというサイズは効果的です。

※ただし欠点として、マルドゥ系と比較すると除去に闇の掌握を採用せざるを得ない関係で、マナベースが厳しくなっています。闇の掌握を2ターン目に打つのは現実的ではないですが、妥協しています。ほとんどのスペルが黒マナを要求しないため、4ターン目に2+2の動きをする際に使うイメージです。

【サイドボードのヒント】
この白黒機体はミッドレンジとして振る舞っているため、当然サイド後に自分の速度を変えることが有効です。
サイドボードでは、特に緑黒昂揚とマルドゥ機体に厚く対策しており、白黒コントロール風に変化します。一方で霊気池相手の対策は薄くしており、依然としてやや不利になると考えられます。

【サイドプラン】
対黒緑昂揚


模範的な作り手4
無私の霊魂4
闇の掌握2
アヴァシン1

カリタス
リリアナ

アイリ
苦汁の破棄
石の宣告

・一言
サリアを引いたら勝ちます。対はぎ取り型だと闇の掌握はあってもいいです。相手のリリアナがきついためタフ1は全て抜きミッドレンジとしてふるまいます。負けたことないです。

対マルドゥ機体


模範的な作り手4
たかりや4
アヴァシン1
ギデオン1

カリタス
リリアナ
アイリ
石の宣告
闇の掌握
断片化

・一言
速度差を考えると完全にこちらがコントロール側のため、ブロッカーにならないカードは全て抜きます。そしたら大体勝てます。

対霊気地


闇の掌握2
アヴァシン1
作り手1
たかりや1
無私の霊魂1

精神背信
苦汁の破棄
街の鍵(イシュカナ対策)
断片化

・一言
理論上相手のブン周りは止められません。祈りましょう。とはいえ大きく不利はつかないようです。
このデッキ相手だけサイドプランは固まっていないです。

対青白


たかりや1
ギデオン2

闇の掌握
断片化
苦汁の破棄

・一言
まれに大量の反射魔導師に押し切られてしまいますが、事故らなければおおむね勝ちます。特に後手番は、模範的な作り手を減らして安定したクロックを刻むアイリを入れても良いです。たかり屋は非常に強いカードですが、相手の地上クロックがわりとバカに出来ないことが多いため、少し減らしたくなります。

【おまけ、おうゆうのデッキ構築思想】
・このデッキのコンセプトは?
・このデッキの強みは?
・マナフラッドを受けられる?もしくはマナフラッドする前に相手を倒せる?
・プレイ難度は?

デッキを選ぶとき・作るときに私は上記4つの観点で評価しています。
白黒機体についていえばこんな感じですかね。
・このデッキのコンセプトは?
→現代のアブザンアグロ
・このデッキの強みは?
→青白フラッシュの強力な盤面掌握と機体アグロの序盤のマウント力。黒を採用することによるサイドボード後のコントロールシフトが容易
・マナフラッドを受けられる?もしくはマナフラッドする前に相手を倒せる?
→ミシュラ・たかり屋・コプターでやや受けられる。カードパワーが高いためたまにフラッドする前に倒せる。
・プレイ難度は?
→コンバット力さえあれば簡単。


【終わりに】
いかがでしたでしょうか?
もう今期のスタンはほぼ終わっていますが、こういうオリジナルデッキから何か学びになる部分があれば幸いです。

コメント

hanimaru
2017年1月5日19:34

すごい。構築力に脱帽です。

ポッキー
2017年1月5日20:49

こういうデッキ説明を受けると75枚を使いこなしてこそデッキなんだなと改めて思いますね。

プレイングも是非とも見てみたかったですね。

おうゆう
2017年1月7日0:25

hanimaruさん
ありがとうございます。見た目よりも強いという稀有なデッキができました。

ポッキーさん
75枚を余すことなく使えているからこそ、この成績なんだと思います。でもプレイングはまあ普通ですよ笑

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