こんばんは。おうゆうです。

後編ではサイドボードの話とその他おまけをちょろっと書いてます。
メタゲーム上、マルドゥ機体ミラーマッチだけは十分に考えておく必要があると考えたので、考える時間のほとんどをミラーマッチに費やしました。

実はメタゲーム上優位にあるデッキは、ミラーマッチ以外はたいてい有利なんです。なのでメタゲーム上優位のデッキを使う場合は、時間がなくともちゃんとミラーマッチだけは練習して、ほかのマッチアップのことを考えなくてもいいと思っています。

ミラーマッチは練習しないとなかなか勝てませんが、相性がいい他のデッキ相手ならば、適当にやっても勝てることが多いからです。短時間で成果を出すためには、練習すれば結果に跳ね返りやすいところに時間をかけるべきなのです。


【対マルドゥ機体】
どんなデッキを使っていてもミラーマッチは面白いですが、ことマルドゥ機体のミラーマッチほど面白いものはそうそうないんじゃないでしょうか。
メイン戦はだいたい茶番ですが、サイドボード後は人によって全くプランが異なることにより選択肢が尋常じゃないほど多くなるんです。なのでお互い信じられないほどたくさんミスします。でもそれが楽しいんですよね。


さて。楽しい楽しいと言っているだけじゃあ勝負に勝てるわけではないので、まじめに考察してた内容を書いていきます。

マルドゥ機体戦では、大きく次の二つの展開に分けて考えていました。
A ~4ターン目。お互いの場にギデオン等のPWが着地、および定着するかどうか(着地したPWを即捌けるか)
B 5ターン目~。消耗戦のなかで有効配をどちらが多く引き込めるか

A ~4ターン目
メイン戦のお互いアグロな構成の場合、ここまででおおむねゲームが決まります。
お互い受けるカードが入っていないから先手が圧倒的に有利になるんですね。

サイド後は、ここで脅威を展開する
アグロプランと脅威を排除して安全に4ターン目を迎えることを目指すコントロールプランに分かれます。

サイド後には対処札が増えるとはいえ、依然として押している盤面でのギデオンは単体で試合を決められるほどの強さです。後手の場合はともかく、先手の場合は十分にアグロプランをとる理由があると思います。とくに白赤軸だとアグロプランを選ぶほうが良さそうですね。


B 5ターン目~。
主にサイド後の、4ターン目を終えても拮抗している盤面では、たいていなんやかんやあってハンドが尽きて消耗戦に突入します
この消耗戦ではPWやミシュラ、たかり屋や苦い心理などのアドバンテージを取れるカードを多く引いたほうが有利になります。
こういう時に軽くて弱いカードが入っているとつらいので、この展開までもつれたら先手後手問わず、コントロールプランをとっている方が有利なはずです。例えば最近時々見る、模範的な作り手を使用していないマルドゥ機体はこの展開を見越して構成されてるんじゃないかなって思っています。


メイン戦は展開Aで勝負が決まり、サイド後はたまに展開Aで終わるがたいていは展開Bまで見据えるべきだろう、くらいのイメージですね。
なのでそのゲームプランに沿ってサイドボードを行いたいなって考えてましたが・・・・・・これって伝わって・・・・・・いますかね?( 一一)
この辺、もうちょっとちゃんと言語化すべきだとは思ったのですが、PTが始まる前に投稿するために急いで書いちゃったんですよね。


とにかく、こうやって整理した後に私は次のサイドプランを行うことに決めました。

先手
IN
2《グレムリン解放/Release the Gremlins》
2《死の宿敵、ソリン/Sorin, Grim Nemesis》
2《リリアナの誓い/Oath of Liliana》
2《先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger》
1《苦渋の破棄/Anguished Unmaking》

OUT
4《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar》
2《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》
2《キランの真意号/Heart of Kiran》
1《致命的な一押し/Fatal Push》

後手
IN
2《グレムリン解放/Release the Gremlins》
2《死の宿敵、ソリン/Sorin, Grim Nemesis》
2《リリアナの誓い/Oath of Liliana》
2《先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger》
1《苦渋の破棄/Anguished Unmaking》
1《致命的な一押し/Fatal Push》

OUT
4《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar》
3《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》
2《キランの真意号/Heart of Kiran》
1《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》


先手後手問わずコントロールプランをとります。
先手のアグロプランは悪くない選択肢ですが、コントロールプランのほうが自分にとって好みだったんですよね。好み。
後手の対戦相手はほぼ間違いなくコントロールプランをとるため、がっぷり四つで戦える楽しさ(とミッドレンジのミラーマッチは上手いほうが勝つと思ってるのでだいたい自分なら勝てるだろうという傲慢さ)がね、あったんですよ。戦略とは何か。調整録とは何か。考えさせられますね。

2《リリアナの誓い/Oath of Liliana》

コントロールプラン定番のカードですが、リリアナの誓いについて「スレイベンの検査官やギデオンを入れてくる相手だと入れても効果が薄い。というか弱い」と言う方もいますし、実際その通りだとは思いますが、
それでもなんやかんやでゾンビを2体ほど呼んでくれたらすごく強いカードになるので採用。ミラーマッチだと終盤でさえ2/2というサイズは十分役に立つんですよね。

他はコントロールプランやるうえで定番のカードです。しいていえばソリンはミラーマッチでとても強いので2枚。3枚でもよかったかもしれない。


<不採用>
1《燻蒸/Fumigate》
1《マグマのしぶき/Magma Spray》
2《精神背信/Transgress the Mind》

→燻蒸は効果が不安定すぎます。そもそも過去のスタンダード環境でサイド後にお互いにラスを入れあうデッキって存在しなさそうでしょう?
(と思いましたが緑白トークンやバントカンパニーあたりは悲劇的な傲慢をサイド後に積んでいたような?)
サイドボード後は生物の枚数が15枚程度まで減るので、本当に限られたタイミングでしか活きないのです。

マグマのしぶきはだいたい一押しより弱いですね。相手がアグロプランをとりそうながしていてかつメインからサリアが見えたときには入れていいかも。

精神背信はもうとにかくカードとして弱い。単にハンデスが嫌いなだけかもしれませんが、私は弱いカードだと思ってます。
前のほうに書いたゲームの展開も見て考えてもらうとわかるんですが、
自分が後手で相手がアグロプランをとっていた場合、2ターン目にハンデスなんて悠長なことをしていると、たとえギデオンを落としたとしても展開Aの段階で盤面が固められてしまい、やられちゃうんですよね。
そして展開Bの段階の消耗戦ではハンデスなんて引きたくないです。腐ります。

なら先手のときはハンデスを入れるかというと、別に先手2ターン目にハンデスで抜きたいカードなんて存在しないし、なんならたかり屋とかキラン号とか置いたほうが強いなあ、とか考えました。

ということで消耗戦になることが結構あり、かつ致命的につらいカードが(4Tギデオン以外に)存在しない相手に、2マナハンデスが十分に活躍するとは思えないので入れませんでした。

かつてモダンでよく言われていたらしい「ジャンド同系のミラーマッチではハンデスを減らす」という言葉を思い出して、その意図を考えるとこういう結論になるんですが、皆さんはどうですかね。

OUT
4《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar》
2《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》
2《キランの真意号/Heart of Kiran》


アーティファクトを全部抜くプランはとりません。
産業の塔から色マナが出なくなるのがつらいのと、入賞リストのほぼすべてでグレムリン解放の採用枚数がせいぜい2枚に抑えられていたからです。
俺はハルマゲドンは撃たれない 撃たれなければどうということはないのです!そしたらかくまえさんのグレムリン解放がスカイソブリンに直撃して負けました!!(*^-^*)

キランの真意号は、対PW、特にギデオンをにらんで残しています。
先述したとおり精神背信をいれていないため、4Tまでに使えるギデオン対策として使えるこのカードを全抜きしたくなかったのです。
とはいえサイド後、結構乗り手が減る印象を受けているので4枚残したくはなかったのです。

屑鉄場のたかり屋を後手でも全抜きしないのは趣味です。
アドバンテージ勝負を目指すコントロールプランでは、疑似的にアドバンテージを取れるのがえらい、気がします。
キラン号に乗れるのも偉い気がするので2枚抜く程度にとどめました。ふんわりしてます。
ブロッカーにならないので序盤に重ねて引くとつらいからですね。


ちなみにこのプランで、BMOの戦績を抜粋するとこんな感じでした。サイド後の戦績だけは結構すごくないですか?そして後手とり過ぎじゃないですか?

後手 4C機体 ×〇〇
後手 かくまえさん ×× 
後手 マルドゥ機体 ×〇〇
後手 マルドゥ機体 〇〇
後手 マルドゥ機体 ×〇〇
後手 マルドゥ機体 ×〇×
先手 マルドゥ機体 ×○○ 



【対霊気池】
コントロールプランで勝てる気がしないのでアグロプランのままでいく、ということだけ決めていました。

OUT
1《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship》
3《致命的な一押し/Fatal Push》
2《キランの真意号/Heart of Kiran》
2《歩行バリスタ/Walking Ballista》

IN
1《没収/Dispossess》
1《苦渋の破棄/Anguished Unmaking》
2《精神背信/Transgress the Mind》
2《グレムリン解放/Release the Gremlins》
2《先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger》

キランの真意号はつむじ風の巨匠にチャンプブロックされる気がして抜いていました。実際どうなんでしょうね。


【対コントロール】
時間とやる気との兼ね合いで事前に1mmも考えていませんでした。
そしたら2回当たって2回負けました。悲しい。

準備不足だと負ける。当たり前ですね!


【対その他】
・アグロ系全般を見てマグマのしぶきをとりました。具体的にはゾンビ対策。
・BG系と赤白見守り督励を見て燻蒸をとりました。
それ以外は考えてなかったですが、霊気池デッキ以外にはコントロールプランをとるつもりでした。





ちなみにプレイングについてはそんなに書くべきことはありません。

・土地を第一メインに必ず場に出す
・マナカーブの通りに展開する
・ミシュラランドを起動できるチャンスを常にうかがう
・墓地にあるたかり屋の枚数を把握しておく
・無許可の分解を撃つ前に、場にアーティファクトがあるかを確認する
・模範的な作り手の誘発が解決してから手がかりをいけにえにささげる

このあたりが出来れば十分です。おうゆうくんはこれら全部でミスしてて、うち3ゲームくらいは落としてます。難しいデッキですね!




【おわりに。あと宣伝】
長い長い3本の日記。最後まで読んでくれて感謝!

特に競技プレイヤーとしてこれから頑張っていくぜーGPで初日抜けしたいぜーくらいの人に、大会「前」にはこれくらいのことを考えてから臨んでいることと、
特にデッキ選択とサイド後のプランの選定を重視していることが文章量から伝わればいいなと思って書きました。

プレイングなんてどうでもいいとは口が裂けても言えませんが、プレイングが少々苦手であろうとも、メタゲーム上で強いデッキを選んで、メタゲーム上のデッキに対して事前に具体的なプランを考えておけばきっとそこそこ勝てるはずです!



あと今回の結果はやや上振れた結果でしょうが「だいたいこれくらいのことを大会前に準備しておけば、かみ合えばこれくらいの成績を出せる」と考えてもらってもいいんじゃないかなーとは思ってます。

この調整録からなにか感じるところ、今後のMTGライフに活かせるところがあれば幸いです!





宣伝。
今期は競技マジックから少し離れて暇ができる予定なので
「おうゆうくんにMTGを教えてもらいたい」なんて変わった人がいたらぜひどうぞ。目標はゲームデー優勝、くらいならなんとかします。たぶん。
もしくは、もしこの人に何かしらの記事を書かせたくなったーなんて人がいたら素敵ですのでぜひTwitterにて連絡してね!(笑)




すぺしゃるさんくす
ここ半年ずっと手取り足取りマジックを教えてくれてる O君
白赤軸と白黒軸の違いをDMで丁寧に教えてくれた Nさん

コメント

オリヒカ
2017年5月11日23:54

執筆お疲れ様でした。
マルドゥ機体対コントロールが全然勝てないのでソリューションをもたらしてください!(他力本願マン)

ラック(larryniven)。
2017年5月13日6:56

はじめまして。記事参考になりました。
デッキ構築7割。サイドプラン2割。プレイング1割。ぐらいの優先順位ですかね。
(私自身はそういう印象を受けました。)

ついでにリンクさせていただきました。

おうゆう
2017年5月14日13:39

オリヒカさん
びっくりするくらい勝てないですよね……霊気池も見れるし、ゾンビは切って青を足すしかないかなー?

おうゆう
2017年5月14日13:44

ラックさん
参考になったなら幸いです。
その比率はよく分かりませんが、プレイングは一朝一夕で身に付くものではないため、大会直前に時間をかけるなら構築(及びサイドプラン)なのは間違いないですよ

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